汗かき教師修行 10年 ゼニの人間学 忍者ブログ
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青木 雄二

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 最近は,めっきり新刊本を買うことが出来ない。財政難だからである。定額給付金が貰えたら買いたい本が山ほどあるが,おそらくもうすぐ生まれる子のオムツ代に消えるだろう。(ちなみに出産予定日は,3/26日なので,給付金の基準日である今日が過ぎたら,二人目の2万円はもらえない。惜しい。)
 そんなわけで,最近の読書はブックオフなどの100円文庫本である。ただ100円文庫と言っても,かなりのものがある。この前読んだ「海辺のカフカ」も100円。「七田式 子どもの知恵を伸ばす300の知恵(って多っ!!)」も100円だ。
 今は,「大人って何?」というテーマを自分でたてているので,そういうアンテナにひっかかりそうな本を読んでいる。とうわけで,大人の代名詞?「ナニワ金融道」の作者,青木優二の代表的なエッセイ「ゼニの人間学」。

「ゼニが支配する世の中は,競争の世の中である。一人の人間が幸福になるためには,別のしらみのような人間を蹴落とさなければならない。他人を蹴落とすことによってしか,人間は幸福になれない。
 人間は,だれしも優越感と劣等感を持っている。
 だれだって,劣等感より優越感を持って生きたい。
 自分が優越した人間であることを,生きているうちに証明しておきたい。ゼニをたくさん稼ぎ,豪邸に住んで,美人の奥さんを抱いて,高級外車に乗って,自分が優越した人間であることを証明し,この快楽を味わいたい。
 けれども,そのために,他人が不幸になるとしたらどうだ?
 社会と人間の葛藤の根源はここにある。
 人間が人間であるかぎり,犬や猫や牛や豚なんかの畜生とは違うかぎり,人間は永遠にこの問題で悩まなければならない。人間の幸福は,他人を不幸にしてしてしかなりたたないものなのかどうか――」

 青木氏は,ドストエフスキーの「罪と罰」に影響をうけたらしく,この話も「罪と罰」の引用をうけての話である。
「学校は,競争を否定してどうなる?実際の社会は競争社会だ!」
と言い切る人は,こういった本質的な部分まで掘り下げて考えた上で発言しているのだろうか。自分が競争に勝って,成功している人間だから,それに敗れて,または嫌気がさしてドロップアウトして,不幸になっている人がいるという現実を見ないようにしているから,こういうことが平気で言えるのではないだろうか。
 青木氏の労働者を見る目は冷静だが,どこまでも優しい。自身も,そういう経験があっただけに,血の通った目で現場を見ている。競争をあおる人は,その中の何人もが結果として負けることをわざと言わない。なのに,負けた人がいかに悲惨な運命をたどるかは,大宣伝する。
「ああなりたくないのなら,人を蹴落としてでも自分が勝つしかない。」
その想定の中には,自分自身が競争に負けたらどうするかという視点が抜け落ちているのである。だから,死に物狂いで勝て,ということなのか。負けたら・・・。
 本当に,実社会が競争社会であるのなら,教育現場は,そこを勝ち抜く子どもを育てるのではなく,その中ですら共生の道をさぐれる子どもを育てる必要があるのではないか。
 そして,そうやって努力しながらも,やはり競争が避けられない現実を突きつけられた時に,初めて,人間らしく自己決定をしていけばいいのである。
 最初っから,勝つだけの夢だけ見せて,負けたら地獄と焚きつけることが,競争社会を生き抜く教育だなんて,教育者ならへそが茶を沸かすぐらい馬鹿らしくて,口にすらできない話である。
 青木氏を見習って,僕も現場感覚を忘れずに,冷静だがどこまでも優しい目で子どもを見ていきたい。

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» またまたシンクロ!!
ありゃま!!(マイメロ風に)←知ってる?
私ももっぱらブックオフ。
100円本ばかり、
しかし、斉藤孝先生の本や大村はま先生の本も100円。
我々のオアシスですな。
そうそう、今日、授業作りネットワークの5月号の原稿依頼が来ました。
よければ読んでしっかり批判してやってくださいね。
yasssan 2009/02/02(Mon)20:54:09 編集
» マイメロ
ありゃま!yasssanさん
こんばんは。
どこも事情は同じですね~。

100円だと,損した気分にならないので,ぜ~んぜん読みたくなさそうな本とかも読んでます。あたりだと倍うれしいですね。

授業づくりネットワークの原稿がんばってくださいね。楽しく読ませていただきたいと思います。
キッキョン 2009/02/02(Mon)22:57:23 編集
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