汗かき教師修行 10年 死と身体② 忍者ブログ
〜本物は続く 続けると本物になる〜
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「死と身体 コミュニケーションの磁場」内田樹
死と身体―コミュニケーションの磁場 (シリーズケアをひらく)死と身体―コミュニケーションの磁場 (シリーズケアをひらく)
内田 樹

医学書院 2004-09
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【先手を取る】内田百閒
・つねに学生の「先手をとっている」
・教師の仕事というのは,極論すれば一つしかない。
・それは生徒の先手を取って,先回りするということ。
・生徒に「この人は何を言っているんだろう?」という疑問を抱かさせて,「後を追わせる」
・教師が生徒に「先回りされたらおしまい。」

【追わせれば活殺自在】甲野善紀
・「技がかかる」というのは,こちらが何をするかわからなくて,相手がぼくのあとを折ってくるという状態でしか成立しない。
・「追っている相手は活殺自在である」
・「後を追う」ときに,人間の身体は伸びがでて,感度が上がって,身体的には「いい状態」になる。
・「いい状態」の頂点において,つまり全身が最高にリラックスして,どんな入力にも対応できるくらいに臨機応変のシステムが整ったところで技を掛けて制してしまう。
・「教育」とか「教え」とか,「学び」は,根本的には「追うモード」,甲野先生の命名するところの「センサー・モード」に身を置くということです。(「死と身体」p50)
・だから,師弟関係において,師の後を追わせるのは,師をロールモデルにしてそれを「真似る」ということが目的なのではなくて,ロールモデルを「追う」という身振りそのものがすでにして十分教育的に機能しているからなのです。(同書p51)

【奥義の伝授】長良と黄石公
・兵法の奥義の伝授。
・師弟関係とは
・自分の前にいる人が,「自分にはわからないゲーム」をしている。自分には輪郭が見えない叡智を蔵している。そういう風な構図で人間関係をとらえること。それが師弟関係の構造。
・師弟関係に至るいくつかの段階
・師のふるまいのうちに「自分に理解できないルール」があると推論する段階。
・その自分にはわからないルールを理解したいと欲望する段階。
・そして,謎を理解しようとすることで人間は構造的に敗者になるということを自得する段階。

【脳と身体の対立】
・物語の中に埋没する若者たち。
・経験と物語の対立=「身体」と「脳」の対立
・自分の身体を奴隷化し,支配する脳。
・「自分の身体に敬意を払う」ことの重要性
・自分の身体が何をしたがっているのか,メッセージを丁寧に聴く。
・「大衆社会の行動コード」と「個人の身体が生存をもとめて発する信号」の間の軋轢が社会問題の起因になっている。
・脳が作る物語は,あまり信用ができない。
・最後の生死の境目つまり「物語」がもう通用しないような局面では,脳の判断を信じることはできない。身体を信じる。
・危機的な局面に際会したときの二つの選択肢。
・感覚を遮断するか,感覚を敏感にするか。
・あらゆる状況の変化に反応できるように,液状といっていいほどのやわらかい身体にして,ほとんどほほ笑むように,全身をリラックスさせておく。
・非言語コミュニケーションの感度は,自分で落とそうと思えば落とせる。(逆にいえば,感度を上げようとするなら,逆のことをすればいい。)

【学校で教えてくれないこと】
・シャイであれ
・聴く能力
 いまでも,活発に意見をいうとか,発言するための指導はいっぱいしています。でも,たとえば,幼少期や思春期にシャイであること―恥ずかしがり屋だったり,大人しかったりという性質は,大切にしたほうがいいと思いますね。(中略)現代という社会は,意見を常に求めているけど,その手前にある「聞く」という行為が作り出す,もっと多彩な目に見えない絆,あるいは目に見えない確執を消してしまっている。そのための装置として,メディアやマスコミが働いていますね。(佐藤学 『身体のダイアローグ』)
・シャイな子どもを自己表現できるようにする教育は,間違っている。
・自分の「本性」とか「自由」とか「欲望」とかいうものは,全部,脳。
・脳はどこからか「物語」を持ってきて,それをただ出力しているだけ。

・口より身体を信じろ
・非言語的メッセージ
結局あなたは,「ことば」では「来て」と言っているけれども,手をいっぱいに伸ばしたまま,この範囲からは入ってこないで,と「からだ」全体が言っているんじゃないか,と感じてしまう(中略)意識と存在の分裂が現れているのだ,と言ってもいいけれども,その分裂をも含んで,根源的なのは「近づきたくない」と「からだ」が語っているということに違いない。(中略)一つ一つの身動きがこちらに伝えて来る,というよりからだからからだへ伝わってくることに「からだを澄ませて」「聴き入る」ことが,気づきなおし続けることの出発点になるのだろう。
(竹内敏晴「癒える力」)
 
・ダブルバインドから逃れるときは,身体からのメッセージを取ればよい。
・口からよりも,身体から発信するメッセージを優先的に配慮しておけば,誤読はおきない。

・本は身体で読め
・身体で読む
 ああいうテキストを読むときは,とにかく毎日読む。1日に3,4ページくらいずつ毎日読まなければ,なかなか片付かないですからね。そうするとだんだん文体が身についてくる。からだが文体に慣れていく。するとわかったような気になる。次に何を言うかわかる感じがするぐらいになってきます。
(木田元,竹内敏晴「待つしかない,か」)

・身体と脳の回路を開放して書いている人は,身体をテキストの中にねじ込むように書いているから,ときどき何を言っているかわからななくなる。
・わたしの身体は頭がいい
 私は,自分の脳はあまり信用していないが,自分の身体性だけは,全面的に信用しているのである。(中略)身体とは知性をするものである。脳は「わからない」という不快を排除するが,身体という鈍感な知性の基盤は「わかんないもんはわかんないでしょうがないじゃん。」と平気でこれを許容してしまう。であればこそ,身体は知性を可能にするのである。(橋本治「わからないという方法」)

・言葉の肌ざわり
 詩というのは言葉だから意味があるものだ,と思っている人が多くて,すぐに主題はなんだ,何がいいたいんだといわれるけれど,ぼくはノンセンスな詩を読むことで,ある種,それに抵抗している。ことばというのは意味だけではなくて,響きもあるし,イメージもあるし,肌ざわりもあるということを,ノンセンスな詩のほうがずっと伝えやすいんです。そういう,ことばの持っている肌ざわりの感覚を忘れて,みんな意味だけを求めすぎる。
(谷川俊太郎  佐藤学「身体のダイアローグ」)

【コミュニケーションの磁場としての身体】
・ある種の「強い言葉」は,たんなる音声や文字記号のレベルにとどまらずに,この間主観的な「肉」の中に食い入ってきます。そしてそれを媒介にして,ことばによって結ばれた共同体全体にしみ通ってゆくことができる。ことばというのはそういうフィジカルなものなのです。
・ことばの根源的な機能は「呪鎮」である。(白川静)
・「生き死にの境に出会ったとき,身体感受性を最小にするか最大にするか」-人生の岐路のとき,危機的なリスクがあったときにはセンサーを最大化する必要があります。なんらかのかたちで皆さんご自身のやり方でこれを工夫されることが,これから先に天寿を全うされるうえでたいへん役に立つのではないかと思います。

と,後は,身体と記号,時間や埋葬の話になっていくわけですが,ここからは難しいから割愛。
にしても,この身体性の話は,僕の問題意識にドンピシャリ!!
この話を下敷き?にしてよりわかりやすく書いたのが「先生はえらい」だけど,こっちのほうは,もう少しくわしくて面白い。とくに,脳と身体性の話。身体性を信じて行動することは,子ども一人一人に反応する必要のある教師にも,絶対必要な能力。身体で感じた異変は,何かあると考えていてもいいのではないだろうか。
「どうしたらいいか?」と考えてから反応するのではなく,反応してから「だから,こんな反応をしたんだ」と考えられるぐらい,教育的な発想を身体化していきたい。

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» 無題
キッキョンさん、良い本の紹介をありがとうございます。早速図書館で予約しました。
まとめていただいた内容を見ると、東井先生の仰ることにも共通するものがありますね。(身体で読むなど)
早く読んでみたいです。
し~さん URL 2008/07/31(Thu)19:36:01 編集
» すごー!!
し~さん様

コメントありがとうございます。
僕のこの紹介の仕方で,図書館で予約してくださるとは・・・すごー!!です。

内田樹さんは,本当に面白いです。ここで書いたのは,僕が初見だったのでまとめるために書いたのですが,教師が読む本としては,「先生はえらい」「下流志向」という本がおすすめです。(先に行っておけよ!!)

この話の中の師弟関係の話が,僕としては非常にヒットしていて,そこから教師の立ち位置について考え中です。

とかいうと,どんなすごいことを考えているのだ!?と思われそうですが,妖しいインディアンの小説?(これもすごいんですよ。いろんな意味で(笑))を読みながら,「これが師弟関係のあるべき姿だ!!」とか口にして,嫁さんに白い目で見られているのが現状です。
キッキョン 2008/07/31(Thu)20:20:12 編集
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