汗かき教師修行 10年 聴き合う つなぐ 学び合う 忍者ブログ
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「聴き合う つなぐ 学び合う」 石井順治

佐藤学さんの理論を,実践で行っている人。
学び合いに至るまでの過程がよく分かる。段階論は,かなり参考になった。

【学び合う学び】
・学び合う学びとは,聴くこととつなぐこと。
・聴くというのは,学ぶことの基本。
・一人一人が「自分の学び」として意識しているということ。
・「自分の学び」だから,話を聴こうとする。

【何をつなぐのか】
・教師は,何と何をつなぐのか。
①子どもの「考え」と「考え」をつなぐ。
②子どもの「考え」と,教材をつなぐ。
 ・教材のねらいや,追求しているものを軸にしていく。
③子どもと子どもをつなぐ。
 ・子どもの考えだけでなく,人格,体験,成育歴など。
 ・生活レベルでの子どもと子どものつながり。
④子どもと教師のつながり
 ・子ども同士をつなぐ前に,教師とつながる。

【つなぎを可能にする条件】
①教材解釈
 ・一人一人の学び,読みを聴きとることができる。
 ・教材解釈をすればするほど,教えたいと思う。
 ・教師の教えたいと,子どもの学びにずれが生じる。
 ・教師の空気が重くなる。
 ・教材解釈をしっかりした上で,教師はそれを出さずに,子どもの学びに反応できるようにする。
②子どもの考えから出発する学びに転換すること
 ・高度な解釈のできるすごい授業からの脱却
 ・教師が教えないで,子ども任せにしているのではない。
 ・一人一人の理解に対応する。
 ・子どもの読みが,どこから来ているのかを認識して,子どもたちにかえしてやる。
③個人学習で一人一人の考えを引き出す。
 ・個別対応の必要性。
 ・書くことを重視する。
 ・いきなり一人でやれと言っても,やれない。
 ・個人学習のやり方を丁寧に指導してあげる。
④連続発言への意欲
 ・話せる雰囲気作り
 ・抵抗感の薄れ
 ・仲間意識を作る
⑤聴き合える子どもを育てる
 ・受動的に聞くのではない。
 ・反応を返したり,自分の意見と似ている,似ていないを考える。
 ・聴くということが学ぶことだと実感する。
⑥教師が子どもの発言をよく聞く
 ・教師が,子どもの聴き方の見本になる。
 ・子どもの発言を,テキスト,仲間,自己の関係から認識する。
⑦つながりを感じ取れる
 ・子どもを意識していると,つながりが見えてくる。

【学び合う教室での子ども】
・子どもの学びから出発し,子ども同士の考え方を丁寧につなぐことで,子どもはこんな考えを持つ。
①共感    「ああ,そうなんだ。」
②比較    「へぇ~。そういう考え方もあるのか。」
③疑問    「それじゃあ,これはどうなんだ?」
④結びつけ 「僕の考えと,つながるな~。」
⑤葛藤    「じゃあ,これとこれは,どっちもいいな~。どうしよう。」
⑥追求    「わからない。もっと調べたい。」
⑦発見(感動)「そーだったのか!!わかった!!」

【学び合いの段階】
第一段階 <聴くこと>-聴く意欲を作る- <話すこと>-安心して話せる雰囲気作り-
〇聴くこと
<教師が魅力的な語りをすること。>
・子どもが,聴くことは楽しいと実感する。
・聴くことで,自分がのびる。
<教師が手本を示す>
・聴く態度の育成。
・よいところを褒める。
・教師がまず,聴き方の見本を示す。
〇話すこと
<話せる子・話せない子の把握>
<発問を答えやすくする>
・目の前の子どもにあった発問をする。
・子どもの育ちに合わせた発問。
・答えやすい発問にこたえることで,話す気持ちがわいてくる。

第二段階 <聴くこと>-聴き方を磨く- <話すこと>-話す意欲と話し方を高める-
〇聴くこと
・聴き方を磨く
<何かを発見する聴き方>
・自分の考えと似ている。共感。
・自分の考えと違う。比較。
<顔の見える机の並び方>
・コの字型
・なぜコの字型にするのか,子どもたちと話し合って考える。
・前向き,班の形など状況によって使い分ける。
<反応を出して聴く>
・まずは,教師がうなずくなどの見本を見せる。
・反応しながら聴いている子を褒める。
〇話すこと
・話す意欲と話し方を高める。
<どの子も話す>
・思ったことや感想の発表など,どの子も話せる内容で話をする。
<不必要な学習話型は使わない>
・「いいですか」「どうですか」など,最初は使ってもだんだんと減らしていく。
<自分の言葉で相手に分かる話し方をする>
・一言発言や,オウム返しから,自分の言葉で語れるようにする。

第3段階 子どもの考えから出発する授業
<聴き手に向かって話をする話し方に>
・誰に向かって語るのかを考える。
・教師の机を子ども用の机にして,子どもと一緒の目線に降りる。
<個人学習の取り組みを>
・自分の力で読めるように,学び方を教える。
・自分の読みを,ノートに書けるようにする。
・書いたことの発表会にならないようにする。
<連続発言>
・子ども同士で発言をつなぐ意識を。
・教師が話すのではなく,子どもが話すことを重視する。
・子どもが話せることを,教師も,子どもも実感する。
・前の人の話につなげて発言する意識を持つ。
<座ったまま話す>

第4段階
・話題からそれない話し合い
・かかわり合って発言できる。
<仲間発言>共感する。
<対立発言>比較する。小さな違いから学ぶ。
<応援発言>付け足し。手助け。

佐藤学の提唱する「学び合い」を実践していた石井順治さんの自費出版の本。
これは,かなりいい。具体的な学級像が分かるのと,教師の動きが分かる。
「学ぶ」ということを推し進めていくとき,教師の立ち位置が難しい。
ともすれば,なにもしなくていいの?という感じで,放置状態になりかねない。
石井順治さんは,「学び合い」の段階を4段階で示していて,その時々の教師の立ち位置を記していくれている。すべての学級が必ずこうなるわけではないと思うが,ひとつの指標になる。
なにより,研究する時に,子どもの育ちを具体的に検証しにくかった「学び合い」の一つの尺度になるのが大きい。もう少し,この点を突きつめて考えていきたい。

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» 私も読みました!
先ほどのコメント引き続き,石井順治さんのこの自費出版の本「聴き合う つなぐ 学び合う」をお読みということで大変驚くとともに,この著書へのコメントにまたまた共感いたしました。
この本は書店では売っておりませんよね。私は東海国語教育を学ぶ会の夏のセミナーに参加してその場で買ってきました。その内容の豊かさに驚き,何度も読みましたよ。
さて,この石井順治先生ですが,実は,斎藤喜博の直弟子の氷上正先生という方に師事していたことはご存じでしょうか。佐藤学さんとこの方との出会いは三重大学に佐藤先生がおられるときに,非常に実力のある教員がいるという評判を聞いて授業を参加した教室の担任が石井先生だったということでした(そう私は記憶しております)。
石井先生は元々斎藤喜博の指導を受けていた氷上先生とアポを取り,次第に指導を受けていった先生なので,元は教授学から学んでおられた先生だと理解しています。佐藤先生はその石井先生の実践を理論的に意味づけされているそんな感じがします。石井さんももちろん佐藤先生から学ばれているでしょうが,おそらく,実践については教授学,氷上正先生の影響を多大に受けていると思います。
私も石井先生,佐藤学先生のことに興味をもっておりますので,色々な本をまた紹介して下さい!
つぐ 2008/07/27(Sun)09:12:12 編集
» なるほど~
つぐ様
コメントありがとうございます。

なるほど~。そ~だったのですか。
やはり,教育を極めていこうとすると,いろいろな人とつながってくるということですね。

というわけで,さっそく氷上正さんの著作も購入してみました(笑)
僕もつぐさんみたいに,この夏休みテーマを決めて読書してみたいと思います。
また,このブログでレビューしますね。
今後ともよろしくお願いします。
キッキョン 2008/07/27(Sun)10:13:00 編集
» びっくり!!
つぐさんの
ホームページを読み進めていくうちに,レポートのファイルに行きつきました。
すると,先日石井順治で検索していた時に,HITした「授業観」のレポートが。
「これはすごいなぁ。勉強になるな~」
と思いつつも,発信元が分からずに感心するだけだったのですが,それを書いていたのがつぐさんだっとは・・・。

いやあ,こんなところでつながって,嬉しい次第です。
キッキョン 2008/07/27(Sun)10:25:38 編集
» え~!!
キッキョンさん
上のコメントを読み,私もびっくりでした!ちょっとお恥ずかしいレポートなのですが,一応数冊の本を授業ということで読んで自分の中に取り込もうと思い書いてみてアップしてみました。お役に立てるといいな~と思っております。

早速,林竹二,氷上正の本をご注文になられたということでそれまたびっくりです!自分なりの未熟な感覚でしかたとらえられていないので,本の感想を文章にすると大げさになってしまう面もあるかと思います。また感想を教えて下さい!
東井義雄先生の本はなかなか手に入りにくくないですか?先日,培其根を買いましたが,著作集は手に入りませんし,売っていたとしてもアマゾンで一冊が15000円くらいでしたので,ひいてしまいました…。
もしよろしければ東井先生の本の中でもオススメの本があれば教えて頂けたらと思います。
ちなみに培其根以外に,村を育てる学力は図書館で借りて読みましたが,レンタル時間の関係であまり時間をかけて読めていません。
この夏,東井先生の著作集を読みたいと思っていた次第ですので,是非教えて頂けたらと思います。
つぐ 2008/07/27(Sun)15:19:03 編集
» レポートを追加しました
キッキョンさん,私の拙いレポートを読んでくださったということで,大変嬉しく思います。
あれを書いたのは2年前だったと思います。あれからちょっと勉強を加えまして,冬休みに一つ学びについてのレポートを書いてみました。それを急いでアップしてみました。「発表資料」のところをご覧下さればと思います。
よろしければそちらも目を通して感想を教えてくださればと思います。一人で勉強して書いた文章ですので,独りよがりの表現がたくさんあると思います。もっともっと色々な人と勉強し合いたいと思っておりますので,またご意見お聞かせ下されば嬉しいです。
岡山は37℃を越え,とんでもない暑さです。神戸も大変暑いと思います。お体にはご自愛ください。
つぐ 2008/07/27(Sun)16:04:33 編集
» 東井義雄
つぐ 様
コメントありがとうございます。

新しいレポート読みました。これまた素晴らしくまとまっている内容だと思いました。
柴田先生の主張は,僕は不勉強でわからないので,また勉強させていただきたいと思います。

「学び」を中心に据える授業を志向する時,必ず議論になるのが「教師の立ち位置」「教える」ということです。
久保斎氏の「一斉授業の復権」も読みました。どちらの主張も大変面白いです。
ただ,これを2元論的に対立しているものととらえると,授業の本質が見えてこないように思います。要は,子どもの様子を見て,「教える」ときは教え,「学ぶ」ときは学ばせる。このバランスを,授業者がどうとらえるかということだと思っています。
中村俊輔の「察知力」というところでしょうか(笑)本当に,サッカーに似ていると思っています。攻めるときと,守るときと野球のようにわかれていません。どちらも,同時に,その時のバランスを考慮して行われるものです。

昔の教育実践も,すべて現在の教育につながるものです。斎藤喜博は,どちらかといえば「教える」寄りだったと思います。東井義雄は,「育てる」よりでしょうか。だからと言って,どちらかが素晴らしくて,どちらかがダメな実践ではありません。どちらも,ある時は,「教えて」ある時は,「育てて」バランスを取りながら,「教育」をしていたから,今も残る実践になっています。どちらのエッセンスも取り入れながら,今の子どもたちにあった教育を志向していくのが僕ら教師の役目ですよね。

東井義雄さんの本は,どれもこれもおすすめです。
「培其根」は絶対お勧めです。僕は,こういう学校に憧れています。それから手に入れやすい書籍では,「いのちの教え」がおすすめです。東井義雄という人物の考え方が詰まっています。教育書で泣いたのは,この本が初めてでした。
後は,けっこう手に入れにくい本が多いですね。著作集は,何年か前に,古本屋で手に入れました。なんと1万円!!買うとき手が震えたのを覚えています。やっすーって(笑)
ネットの古本屋やとかネットオークションなどでたまに引っかかるときがあるので,探されてみてはいかがでしょうか。
キッキョン 2008/07/27(Sun)20:12:17 編集
» え~!!ーその2ー
キッキョンさん

私のレポートを読んで下さり,かつ,お褒めの言葉を頂けるとは光栄です!まだまだ中途半端な理解なのですが,自分の中に落とすために何とか仕上げてみました。
キッキョンさんの言われている通り,
>要は,子どもの様子を見て,「教える」ときは教え,「学ぶ」ときは学ばせる。このバランスを,授業者がどうとらえるかということだと思っています。
そうだと思います。この子どもの様子を見るのが大変難しいと私は感じているんです。個が見えない…。
今の私の課題なのです。そのために色々今努力しています。授業中の個,思考,生活場面での個等々を見ることを今意識しています。
そういえば,今年の鉄人倶楽部での杉渕先生,深沢先生両先生とも子=個をみるという点をものすごく大切にされているのが分かりました。
>どちらのエッセンスも取り入れながら,今の子どもたちにあった教育を志向していくのが僕ら教師の役目ですよね。
その通り!!斎藤喜博が教えを重視し,東井義雄が育てを重視するそんな感じを私も感じておりました。どちらがではなく,目の前の子どもの実態に応じて育て教えるのが我々の役目であることを改めて学びました。ありがとうございます!私も「いのちの教え」をアマゾンで注文いたしました。東井先生の世界を少しでも学べたらと思います。

東井義雄著作集のそのお値段はすごいですね~!手が震えたという感覚,分かります!是非読みたいと思い,大学図書館から借りようと考えているんですよ~。ネットでこまめに検索してみるのが近道ですね。一冊でもゲットできるようがんばります!

つぐ 2008/07/27(Sun)21:46:42 編集
» 我逢人
つぐ様

ありがとうございます。
つぐさんとのコメント欄のやり取りだけで,いろいろなことを学ばせていただきました。

禅語の「我逢人」という言葉は,偶然でも人との出会いから何かが生まれる。だから,人との出会いを大切にするという意味でだそうです。

たまたま何かのご縁で,このブログを見ていただいて,その上,コメントをいただき,いろいろなことを学ばせていただいたご縁を大切にしたいと思います。

これからもよろしくお願いします。
キッキョン 2008/07/27(Sun)23:01:01 編集
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