汗かき教師修行 10年 読書感想文の書かせ方 2015 忍者ブログ
〜本物は続く 続けると本物になる〜
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今年も読書感想文の季節がやってきました。
教師としてというよりも,父として子どもにどう読書感想文を書かせるかという視点で書かせ方をまとめます。



ねらいは・・・
1 賞などをねらうような感想文にしない。(去年は,ある手が入って学校の賞になってしまいましたが・・・ (^_^;)
2 読書が嫌いになるようにはしない。(しんどすぎない手順)
3 国語の力としてつけたい力はつける。(読書感想文は複合的な力が関わってますね。)
4 次回からは,自分でも書くことができる。(自立支援。っていうか自立して!)

文章をかいてはいないとはいえ,親の手が入っていますので,すごい表現で入選!みたいなことにならないように配慮しています。つまり,一般的な構成で,子どもの表現をそのまま採用しているということです。
読書感想文は,せいぜい一年に一回程度の取り組みです。それがいやで,読書が嫌いになるということはさけたい。幸い,年子の姉弟なので,二人で一緒に取り組みながら楽しんで書く工夫をいれています。兄弟がいないとか,年が離れている場合は,親子で読み聞かせや交互読みをするとよいのではないでしょうか。
読書感想文は,国語のいろいろな力が必要です。
【読む力】読んで意味をとらえる力。あらすじを読み取る力。好きな場面や大事な部分をとらえる力。作品の主題や作者の意図をとらえる力。などなど。
【話す力】あらすじを伝える力。好きな場面を伝える力。などなど。
【書く力】一文にまとめる力。書きたいことをメモする力。文章の構成を考える力。形式段落にまとめる力。「」をつかう力。正しい字を書く力。原稿用紙特有の書き方を覚える。などなど。

一口に,読書感想文といいますが,これって国語の力を総動員して書くものですよね。それを,ほとんど書き方の指導もなしに,子ども(保護者)任せにするって・・・(笑)。

ということで,賞をとらずに,でもどうせやるなら国語の力はつけられたらいいな・・・という僕の願いを叶えるための取り組みをまとめておきます。

ちなみに,登場人物は二年生の姉と一年生の弟ということで,はじめて,または2回目の読書感想文を書く低学年向けのまとめです。3年生以上は自分で書かせてください(笑)


1 選書はどうする?
本はどうやって選ぶか。
一番は,子どもが好きな本にすることでしょう。
一年生の息子は,「はれときどきぶた」で書きたいという思いを持っていましたが,やめさせました。それは,親が大変だからです (^_^;
それに,自分の好きな本はきっと今後自分で書きたいというときがまたくるでしょう。そのときに,ある程度の「型」を知った上で,人に伝える読書感想文を書いた方がよい。という判断で,好きな本では書かせていません。

では,何を選ぶか。読書感想文コンクールの課題図書から選んでいます。
昨年度は,「まよなかのたんじょうかい」をえらび、今年は,課題図書の中から,「あした あさって しあさって」を選びました。
教師としては,特に課題図書で読むようには指定していません。でも,親としては,課題図書から選ぶというのはやりやすいです。ある程度,範囲がある中から選ぶというのは,読書感想文の指導なんてできない親からしたらありがたいです。また,毎年,課題図書から選ぶというのを決めておけば,夏休み前には一冊は本を読むというのも恒例になります。そして,もう自分で読んでる本で書きたい,と言い出したら,子どもの書きたい本で書かせるようにします。

本を選ぶのは,基本,ぼく,「親」です。子どもは自分の興味関心で選ぶかもしれません。でも,低学年の読書感想文で親としてあれこれ入って書かせるのであれば,親が書かせやすいという視点で選んでもいいでしょう。子どもなりに書きたいと言い出したら,選書も任せます。でも,自分で選んだからには,自分で書く,をあたりまえにさせたいところです。それまでは,こちらが選んで与えます。
ちなみに,昨年は,「母親」と子どもをテーマにした本でした。
だから,今年は,「父親」と子どもをテーマにした本です。だって,くやしいじゃないですか。

2 本を読む
さて,本を読むです。低学年ですので,一人で黙読というのも難しいです。できる子はうらやましいですね。
何度か読みたいので,いくつか工夫をいれています。

①まずは自分で読ませる。
②親が読み聞かせをする。(ポイントあり)
③姉弟で交互に音読する。

①まずは自分で読ませる
買ってきて本を渡してから,1週間ほど時間をあげました。
その間に,自分で本を読むように伝えました。
二年生の姉は,何度か読んだようで,ストーリーをよく知っています。
一年生の弟は,その姉の話を聞いていたようで,最初しか読んでいませんでした(笑)
でも,一年生ってこんなもの?ですかね。ひらがなおぼえたてですしね。学校でならった長いお話でも「おおきなかぶ」くらいですから。
自分で読むという経験は大切ですので,時間を十分とって読ませます。

②親が読み聞かせをする。(ポイントあり)
次に親が読み聞かせをします。子どもはある程度ストーリーを知っています。
そこでポイントです。
読書感想文につなげるために,子どもとやり取りをしながら読み聞かせをします。
聞くポイントは,次の3つです。

ア あらすじに関すること (主役は誰か? どんな設定か? 最後どうなったか?)
イ 好きな場面のこと (どこが好き? それはなんで?)
ウ 読後の感想のこと (どうだった? もう少しくわしく教えて)

読み聞かせをする前に,3つのことを聞くからねといいながら読み聞かせをします。
一度読んでますので,「知ってる」みたいなこともいいますが,それを制して,伝えます。
たんに,お話を知っているのではなく,読書感想文を書くために注意して読み聞かせを聞くように促します。

そして,何より重要なポイントです。それは,何のために読書感想文を書くのかということ。
子どもたちには,このように伝えています。
「パパと子どもたち3人で映画を見に行くとするやろう。映画はおもしろかった。それをママに伝えるときに,『おもしろかった』だけじゃ伝わらないでしょう。どんなお話だったか。どこが面白かったか。見に行ってどう思ったか。ということぐらい伝えられないと,映画を見に行けなかったママにおもしろさを伝えられないでしょう。映画でも,本でも,色々な人に,『おもしろかった』ことを伝えるために必要なことが,読書感想文には全部つまっているからね。これがかければ,映画を見ても,本を読んでも,遊びにいっても,そのおもしろさを色々な人に伝えられるようになるよ。」
というような感じで,子どもたちに伝えています。
そのための,①あらすじ②好きな場面③読後の感想 なのだと思います。

よく,賞をとるような読書感想文には,あらすじは入りません。構成も,いろいろと変更されています。でも,それは,やっぱり,よく本を読み,言語化し,自分の体験を重ね合わせてきている子だからこそ書けるもの。国語の指導内容としては,僕はこれでよいと思います。
だから,①あらすじ②好きな場面③読後の感想というとてもシンプルで,つまらな〜い構成は崩しません。

③読み聞かせながら対話する
上記のポイントを意識しながら読み聞かせをします。
あまり深く考えずに,普通に読み聞かせします。(淡々と読むとか臨場感たっぷりに読むとかは御任せです。あくまで親の読み聞かせということで。)
ただ,所々ストップして,子どもと対話します。
「誰が出てきた?」「くま?」「くまのこ」
「どっちかな」「くまのこ」
「そうだね。くまのこが主人公みたいだね。」

「ここまでですきなところあった」「あった。くまがわらっているところ。」
「なんでそこがすきなの」「だって、おとうさんが帰ってくるって聞いたでしょ。うれしいじゃん。」

「はいおわり。どうだった?」「おもしろかった。」
「おもしろかったね。もう少し詳しく教えてよ。」「だってくまのこがぎゅっとだっこしてもらってよかったから。」
「ああ。そんなことばあったね。もうちょっとくわしく」「『おもくなったな』ってお父さんがいってたから,あんまりあってないんだとおもって。」

というような感じで,子どもたちの言葉を聞き出しておきたいところです。
あとで,「なんて書けばいいの?」と言われたときに,「さっき,〜っていってたやん。」と返せるからです。やっぱり,子どもの言葉でアドバイスしたいですしね。

3 交互読みをして好きな場面に付箋を貼る
親が読み聞かせしたあとに,交互に読ませます。
ここで,子どもたちに課題を与えます。
「好きな場面に付箋を5つ貼ること。そのために,二人で交互に読み合うこと。」

読書感想文に書く好きな場面を選べるように,付箋を貼らせます。
ポイントは,数を限定することです。放っておくと,どこもかしこも付箋を張り出します。
数を限定することで,読みながら,「やっぱりこっちにしよう。」と選ぶようになります。
文章の量にもよりますが,3〜5枚ぐらいがよいでしょう。
このときも,兄弟でわいわいと話しながらはらせるようにしました。
「なんで?」「ああ。それならわたしも。」
みたいに,お互いに読み合いながら,好きな場面を説明することで,あとで文章に書きやすくします。兄弟がいないときには,親が一緒にやってもいいでしょう。

とにかく,書く前には,たくさん,話す,ことが大切です。

3 メモを書く
ここまでやって,いよいよ「書く」に入ります。
しかし,すぐに原稿用紙には向かいません。まずは,メモすることです。
今回は,4つのメモ用紙を用意しました。
メモ用紙といっても,原稿用紙を半分に切った紙です。200字書けます。

①読んだきっかけとあらすじ
②読んだ後の感想
③すきな場面とそのりゆう
④読書感想文を書いてみて気づいたこと。これからのこと。

この4つのメモ用紙に,先ほどあれこれ話したことを中心に書かせます。
一つのメモ用紙につき,一段落でいいとは思いますが,最初の読んだきっかけとあらすじぐらいは,2つの段落に分けるよう伝えます。
段落をあけるところは,「×」でもしてあげると,清書のときに間違えにくく楽かもしれません。

メモを書かせるときに大事なポイントは,
一文を短く書かせる
ことです。

あらすじを例にします。
このお話は,くまのこがいて,お父さんがとおくではたらいていて,そのあと,おとうさんがしあさってにきて,くまのこがうれしくなってこうふんして、ぎゅっとおとうさんにだきしめられる話です。

低学年の国語では「順序」を大事にします。子どもは,時系列に沿って一生懸命説明します。中学年ではないので,話のまとまりとしてあらすじをまとめるのは難しいです。とはいえ,ほうっておくと,なが〜〜〜〜い一文になってわけがわからなくなります。なので,ちょっと子どもにアドバイスをして,できるだけ一文を短く書くようにします。

このおはなしは,くまのこのお話です。くまのこのお父さんはとおくではたらいています。くまのこはおとうさんがしあさってにかえってくるとききます。それで、うれしくなってこうふんするおはなしです。
(「こうふんする」というのは、うちのこたちの表現です(笑))
というように、子どもがあれこれ話す「あらすじ」を,ちょっと一文を短くするようにアドバイスすると変わってきます。
一年生の息子は,こんなあらすじをメモに書いていました。

「このおはなしはくまのこのおはなしです。おとうさんがとおくからもどってくるおはなしです。しあさってにおとうさんがかえってきて、くまのこがこうふんするおはなしです。」

「おはなし」だらけですが,まあいいでしょう。子どものことばを尊重します。

ちなみに,よくあるパターンに,「なぜこの本を読書感想文に選んだか」を書くというのがあります。賞をとる感想文にはほとんど入りませんが,一般の感想文では採用です。量を稼げますしね。何より,自由研究にしても論文にしても,きっかけに序論でふれるのは大事なことです。
選書で触れたように,「親が選ぶ」というのを徹底していると,冒頭から書きやすいのでおすすめです。(でも,賞はとれません。)




最初に思ったことや,好きな場面も同様に,会話したことをもとにまとめさせましょう。
ここでも,一文を短く書かせます。
そして,ある程度パターンを教えます。
それは,
①思ったことや好きな場面について書く。
②どうしてそう思ったかの理由を書く。
③自分に置きかけて,経験や自分ならどう思うかを書く。

このパターンで,3文を基本に書かせます。
これは,中学年で教わる文の書き方です。
まずは,自分のいいたいこと。そしてその理由。最後に思ったこと。
文の書き方でも,説明文の読み取りでも,このパターンを学習します。
低学年ですが,一応先取りして教えておきます。
最後の,「思ったこと」については,読書感想文らしく,自分の経験を引き出すものにするとなおよいでしょう。自分にも主人公と似た経験がある。自分ならきっとこう思う。というように,作品の人物に自分を投影することは,物語を読むのに大事なことです。
ここが,書評とちょっと違うところなのだと思います。
が,そういう詳しい分類とは別にして,なんのために読書感想文を書かせるかということを考えるときに,映画や本の感想を交流するときには,自然と自分の話が出てくるはずです。そのきっかけとしても,教えておきたいところです。



二年生の娘は,お父さん(つまりぼく)からおつかいを頼まれたことをこの本を読んで思い出し(無理矢理ひねり出し?)て書いていました。

そして,最後のメモに関しては,この時点では書かせずに置いておきます。

4 清書する
さて,やっと原稿用紙に向かいます。
さあ,やっと最後・・・。といいますが,ここからも大変です。
誤字脱字。かぎ括弧や句読点の位置。段落の下げ間違い。などなど・・・。清書ように校正すると,何度も書き直しをする必要があります。これが地獄です。
これで,読書感想文,ひいては読書がきらいになる子どももいるのではないでしょうか。僕もそうでした。
専門的に言うと,文章の推敲・校正は,高学年での指導事項です。
低学年では,そこまで徹底する必要はありません。
むしろ,低学年では,「視写」といって,メモをうつすだけでも大変な作業になります。

ということで・・・。ここからは,批判されるかもしれませんが・・・。

子どものメモをもとに,下書きを親が書きました。(はい。真面目な人は怒りますかね。)

たとえば,ワープロですぐにうってあげられる人は,原稿用紙ウィザードをつかってメモをうつしてげます。ない人は,同じ原稿用紙に書いてあげるといいでしょう。
ここで,手を入れたい人はいれたらいいと思います。子どものメモですから,文のつながりがわからなかったり,習った漢字なのに書いてなかったりするかと思うので。
(僕は,ほぼ,そのまま打ち出しましたが・・・。)

ここは,いろいろ意見があると思いますのでご家庭に合わせるとよいでしょう。
ただ,低学年の子にとって,漢字を書き直すと,全部消して書き直さなくてはいけないというのは相当のストレスではないかと思います。親にとっても相当なストレス。
低学年は,まずは視写のレベルです。あくまで,メモに自分の感想が書けているのなら,それをうつす作業ぐらいでいいのではないかとも思います。

というわけで,子どものメモをもとに,清書用のお手本を作りました。



ポイントは,最後の「まとめ」はまだ書いていないということです。
メモの,
④読書感想文を書いてみて気づいたこと。これからのこと。
も,そういえばまだ書かせていませんでしたね。
まとめの文章は,まさに「まとめ」です。これまでの文章をもう一度読んだ上で,書かせます。
説明文の用に,結論ありきで書く場合もあります。
でも,自由研究や論文,説明文の場合であっても,書きながら結論というのはだんだん変わるものです。
映画のよさを説明する時も,話していくうちに,だんだんと主題に気がついて,「ああ。こういう話だったのね。」と自分で納得することがあります。同じように,読書感想文も,書いているうちに,「なるほど,わたしはこういうことをいいたくて,この本を感想文に選んでいたんだ!」と気づくこともあるのではないでしょうか。
これは,文章推敲のポイントでもあるので,低学年の読書感想文からさせたいところです。

ということで,下書きをまとめた文章を,子どもたちに読ませます。
自分で書いた(ものをパパがワープロにうちなおしてやった)文章を読んで,最後にどう思ったかを書くわけです。
ですから,この「まとめ」は,作品への感想だけでなく,自分のことが含まれた感想になるはずです。

かくして,うちの子たちは,「お父さんといる楽しさ」に気づき(気づかされ?),まとめの文をメモしていました。
そのメモを,再度,ワープロで打ち直して,下書きの完成です。(中学年以上なら,下書きも自分でさせたいところですね。)

最後に清書をします。
ここでは,きちんと,段落や句読点などをぬかさずに,升目にきっちり丁寧に書くことを意識させました。国語の時間で言うと,「書写」の時間です。

かくして,2015年。2年生と1年生の読書感想文,800字ができました。めでたしめでたしです。

このフォーマットは,シンプルです。
そして,子どもたちには,特にお姉ちゃんには,「来年は,自分で書くこと」を口をす〜っぱくして言っています。
3年生になるお姉ちゃんには,2年生の息子にやり方を教えながら,文章の書き方の「型」を自分のものにしてほしいところです。

来年のレポートは,もっと楽なものになると期待しています。

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